オカンの会が目指すこと

■<活動指針>
関西オカンの会の最大の目的は、「地域医療を支え、関西オカンのパワーを結集して今後の医療のあり方を共に考えること」です。
そのためには「医療現場にありがとうの気持ちを届けるキャンペーン」と「身近な医療を学ぶ機会を作る」という活動をしていきたいと思っています。
会員のオカンの皆様(もちろん、オトンも。老若男女、誰でも。)一人一人が発信者になっていただきたいという願いがあります。
「救急車たらい回し」「出産難民」「医療過誤」「自治体病院の破綻」・・・挙げ始めるときりがないくらい、医療の危機にまつわるニュースはお茶の間に溢れています。
「新型インフルエンザ診察拒否問題」「愛染橋病院の飲酒産婦人科医問題」など、医療現場の実態を深く理解していない状態でマスコミが批判的に報じることで、益々医療現場の心理的衰弱を招くというメディアの功罪も大きく問われています。
医療に忍び寄る影・・・その実態はあまりにも闇が深く、濃い霧に包まれています。
医療制度や医療政策が、専門家以外には理解できないほどに複雑に入り組んでしまったために、負担者であり受益者でもある国民が思考停止状態に陥らされています。
医療の問題は、どう生きるか、どう死ぬかという、人間の根幹にかかわる大問題であるにもかかわらず、この危機的な状況を目の前にして、問題が複雑すぎて議論を交わす術さえないのは不幸なことであると痛感します。

事件はまさに現場で起こっています。
なぜ、自治体病院は相次いで閉鎖されていっているのでしょうか。
なぜ、産科、小児科は危機的な状態に陥っているのでしょうか。
なぜ、病院に勤務している医師たちは過重労働で肉体的精神的に追い詰められているのでしょうか。

医療と介護は本来は表裏一体のものであるはずなのに、切り分けられてしまったのは何故なのでしょうか。
後期高齢者医療制度とは?障害者自立支援法とは??
疑問の嵐に蓋をするように、次々に国会では新しい法律ができて、ますます医療はつぎはぎになっていくばかりです。
医療問題のまさに当事者であるべき患者、つまり国民一人一人が、いつも議論の蚊帳の外に置かれている状態にあります。
次第に、それは医師と患者の間の不信感へと姿を変え、残念なことに溝は深まっていっています。
患者は消費者のように医療を選択し、当然のように医療者にサービス能力を求め、貴重なはずの医療資源は消費されていきます。
  医療の不確実性を踏まえずに、きちんとしたサービスの提供が無ければ訴訟対象になるケースもあります。
大学病院の医局制度が機能しなくなり、若い医師たちは働きやすい職場を選ぶようになって、地域医療の崩壊が加速するのを止められません。
高い志を持って過酷な現場に留まり、命の最前線で懸命に救命活動を続ける医師が、過重労働から精神を病み、ぎりぎりの命の淵に追い込まれていっています。

今、医療現場で何が起こっているのでしょうか。
そしてさらなる高齢化時代を迎えたときに、日本社会は一体どんな景色を見せるのでしょうか。
教育、医療、介護、福祉、年金、保険、すべては一本の糸で繋がっているはずです。

まずは出来ることから始めることが大切だと思います。
患者として出来ること、それは患者の側からまずは医療を知ろうとする姿勢を持つこと、そして患者と医療者との信頼回復にまずは患者の側から歩み寄ることではないかと考えます。
患者と医療者が共に手を携えて今後の医療を考えることは、生きるということと真剣に向き合うということであると確信しています。
自分自身のためだけでなく、大切な人のために、未来を担う子供達のために、立ち止まってみんなで考えてみたいと強く思い、自治体の壁を越えて、患者として広く繋がるべきであると考え、会の立ち上げにいたりました。

会員達一人一人が当事者として発信していけるような会にしていけたらと思っています。
思いやりや敬いの精神は、消費社会の中でいつのまにか失われつつある大切な価値観です。
かつては「先生」と呼ばれる職業は、医師しかり教師しかり弁護士しかり国会議員しかり、とーっても偉かったはずです。
しかし残念なことに、先生と呼ばれる職業ほど、世間の荒波が襲い掛かり、労働環境も地位も名誉も凋落傾向にあります。
もっとも、一部の問題のある人たちの行動のせいでもありますが。
でもやはり「先生」は、尊敬してこそ先生足りうるのではないかとも思うのです。
浪費して酷使して磨耗させてという、少なくとも「消費者」と「サービス提供者」の関係であってはならないはずです。
「先生、いつも本当に有難うございます。感謝しています」というシンプルな言葉で救われる心があるのならば、躊躇う理由はないはずです。
そんな思いやりと敬いの精神の復古を、関西から全国に広げていけたらと思います。
関西には笑いを大事にする文化があります。笑いは健康の源です。
まずは笑顔で「ありがとう」が言える社会に。